ネット回線の私的利用を避けるために利用制限が行われています
大学で、情報授業の為に設置しているインターネット回線が授業以外の用途で使われることによって、通信速度が落ちてしまうことを回避する為に、利用制限を行う大学が出て来ています。理由として、SNSやオンラインゲームなどへのアクセスが増えている為だとされています。大学によっては、学内回線の約7割がこれらの接続に使用されており、本来の学業目的に支障を来すという理由から、ファイル共有ソフトやゲーム専用機からのネットの利用制限を行うようになりました。
問題となった大学では、昨年5月頃から頻繁に学内のネットがつながりにくくなる現象が生じるようになりました。9月頃の調査で、学内のネット回線を流れる通信量は、3年前に比べて2倍に増加していることが分かりました。その結果、ほぼ全部の容量が使われてしまっていることが判明しました。通信量の内訳を調査したところ、情報授業で使われる通信は3割に留まり、残りの7割は動画サイトやSNS、ゲームサイト、ファイル共用ソフトなどの利用でした。大学では、学内の研究や授業に多大な影響が出ると、不要不急のインターネット利用を控えるように学生に通達を出したのですが、改善が見られなかった為、このような措置が取られることになりました。
大学側からは、ネット回線がスムーズに利用できなければ、学内の授業のみならず、国内外の共同研究にも支障が出る為としています。今のところ、このことにより、教職員や学生からはトラブルは発生していません。
また、別の大学においても、昨年の6月から7月において、学内でのネット利用を一時的に制限しました。ネットがつながりにくい状況に陥った為、情報授業を優先させたいという理由から、アプリやゲームがダウンロードできるストアへのアクセスや、ツイッターの閲覧や登録を制限しました。これらの背景として、各大学が無線LANのポイントを多く設置しており、スマートフォンで手軽にアクセスできる環境になっていることが挙げられます。

